牧野さんが「酒造家の息子なれども幼い時分から一向に酒を飲まなかった」と語るその理由とは――(写真提供:Photo AC)

2023年4月3日より放映されてきたNHK朝ドラ『らんまん』も好評のうちにまもなく最終回を迎えます。そこで『らんまん』に関する記事の中で、あらためて読み直したい「編集部セレクション」を紹介します。

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主人公のモデルは牧野富太郎。愛する妻との別れ、家の没落、借金、大学での不遇……。いくつもの壁にぶつかりながら、ひたむきに植物を愛し、その魅力を伝えることに情熱をそそいだ植物学者としての人生が描かれます。実は小学校を退学し、その後は学校に通うことのなかった彼が「酒造家の息子なれども幼い時分から一向に酒を飲まなかった」と語るその理由とは――。

94歳まで生きた5つの健康習慣

1 心を平静に保つ

何にも別に関心事なく平素坦々たる心境で平々凡々的に歳月を送っています。

即ち斯く心を平静に保つ事が私の守ってる健康法です。

併かし長生きを欲するには何時も我が気分を若々しく持っていなければならなく、従て私は此八十六の歳になっても好んで、老、翁、叟、爺などの字を我が生命に向って用いる事は嫌いである。

例えば牧野翁とか牧野叟とかと自署し亦人より牧野老台などとそう書かれるのも全く好きません。

其れ故自分へ対して今日まで自分に此んな字を使った事は一度もなく『我が姿たとえ翁と見ゆるとも心はいつも花の真盛り』です。