百田 クレーマー体質の方には、「尊重している」ということを態度で示すのがコツですね。たとえば、そういう方は欲しい商品の在庫がない場合、入荷時期を調べて「×日に入ってきます」と言っても、納得しない。そこで「届きましたらお電話しましょうか」とひとこと言うと、「電話をいただくほどのことでもないからいいわ」と、急に冷静になる場合もあります。
関西人に必要な「誠意」!?
呑屋 僕も今でこそクレーマーにうまく対応できるようになりましたが、若い頃はそれができなくて。かつて、関西のカラオケチェーン店で働いていたのですが、機械が採点するゲームで自分の思った通りの点が出ないと言われ、部屋に4時間軟禁されたことがあります。
百田 ええっ!
呑屋 一人が言い終わると次の人がしゃべり出して、堂々巡り。関西で多かったのは最終的に、「誠意を見せろ」と言われるパターン。このときも、「楽しい時間のはずが気分を害されたことは、大変申し訳ありませんでした。しかし機械に関しては、私はメーカーの人間ではないので」と、ひたすら謝罪。折れるのが悔しくて、4時間分の使用料込みで請求したら、「誠意ないやんけ!」とすごまれた(笑)。「えっ、まけろってことですか?」と聞くと、「まけろなんて、ひとことも言っとらん。『誠意を見せろ』言うてんや」って。脅迫ですよね。そこからさらに2時間、バトルがありました。(笑)
生活 地域性のお話が出ましたが、電話対応もお客様のお住まいの地域によって違いがあります。心得として、商品不良だった場合、関西の方に対しては早めに「商品を交換します」とお伝えするといい、とか。
百田 私も関西で働いていた時は、近くにバイトさんがいたら、「これと同じ商品のきれいなのを用意しておいて」と、お客様にわざと聞こえるように言う(笑)。換えてもらえる可能性があるとわかると、トーンダウンするケースが多いので。ただ、これは関東では通用しません。
生活 関東では「お取り換えします」と言っても、いいところの奥さまは「そういうつもりでお電話したわけではないので」とおっしゃる。その言葉を鵜呑みにして、お送りしたらかえって失礼に当たるかしらと思って控えていると、1週間後に「届かない」とクレームになったり。(笑)
クレーマーのタイプや望むことは千差万別。以下の5つを場合によって使い分けましょう
●言いたいことを傾聴する
●大げさなくらい丁重に扱う
●埒があかない時は、肩書が上の人に対応を頼む
●相手の心理を想像しながら接する
●必要な時は毅然とした態度で