「仮性近視」はすぐに改善できる

さて一方、先に挙げた例のうちの後者は、毛様体筋の緊張により一時的に近視が強くなっている「仮性近視」です。これは少し休んだり眼球を温めたりして毛様体筋の緊張が緩和されれば、一時的に強くなっていた分は解消されます。

例えば、もともと0.2だった視力が仮性近視で一時的に0.1になっていたとしたら、毛様体筋の緊張を緩和させることで、0.2まではすぐに改善できるということです。

例えば視力検査で1.5と出ている人でも、ドライアイ気味で日中ずっとパソコン作業をしていたりすると、時間がたつごとに見えづらくなっていく場合があります(写真提供:Photo AC)

そもそも、ものの像を結ぶ能力という意味での視力は、移ろいやすいものです。朝と夜とで大きく異なることも珍しくありません。

例えば視力検査で1.5と出ている人でも、ドライアイ気味で日中ずっとパソコン作業をしていたりすると、時間がたつごとに見えづらくなっていく場合があります。

このように「絶えず目を使っているなかでの視力」を「実用視力」といいます。今の例でいうと、ドライアイを原因としてパソコン作業中に視力が下がるのは、「実用視力が落ちている」ということ。

そして、こうした実用視力の低下は、目を温める、休めるなどの対策によって簡単に改善することができるわけです。