“コミュニケーション”を意識すると家族との関係が変わる

通常、家を建てるときや、住む家を探すときに、家族が自然に“コミュニケーションできるか”という視点は抜けがちですが、ちょっと意識するだけで本当に家族との関係が変わってきます。実は私もそうでした。

子どものころ住んでいた家は、1階にキッチン、2階に子ども部屋がありました。

部屋が遠いばかりに、声が大きく言い方が強くなっているだけ(写真提供:Photo AC)

母はいつも夕飯ができると、階段の下から「みゆきーー! ごはんよーー!!」と大きな声で呼ぶのです。

「はーい」と私は言っているのですが、遠くて母には聞こえません。今度は、階段の横の壁をドンドン叩いて、「みゆきー! ごはん! ごはんできたよ!!」。

今では笑い話ですが、当時は「なんでごはんのたびに怒られるんだろう」と思っていました。だから、なかなか1階に下りなかったのです。

でも考えてみたら、愛情をもって毎日ごはんをつくってくれているわけですよね。部屋が遠いばかりに、声が大きく言い方が強くなっているだけ。

もし、子ども部屋がすぐ近くにあったら、「ごはんできたよ」と笑顔で言ってくれる優しい母なのです。

この話を講座ですると、意外にも多くの人が同じ経験をされていることがわかりました(笑)。