“強がりを保つために”
私が身につけたスキルって他の人にも使ってもらえるかな。
声真似をする時にも、自己分析から始まった人間観察が役立っています。
エッセイには私の演技はもとより人格の土台にもなっている「自己分析」「人間観察」について書きました。自己分析は、「お芝居の勉強になるよ」と言ってかつての子役事務所のマネージャーさんに「自分を観察すること」を勧められてから癖のようになっています。感情がニュートラルな時は、発言や行動をしている間中、同時並行的に自己分析の声を聞きながら生きている感じです。けれど怒りにしても喜びにしても、感情が爆発的に襲ってきた時は、後から意識的に自己分析するようにしています。
なぜあんなにも怒ったのか、興奮したのか、それを分解して考えている間は、強い感情を手放すこともできる。そして一つ一つ解析していくと、「ああ私は、あの時のこれがかちんと来たんだ」とか、「自分にはこういう面があるんだ」と見えてくる。もう一度同じような場面に行き当たった時、感情に流されない対処が可能になってくるんです。
全部分解したところで、「それでも怒っていい」、となったら本当に怒るべき時なのかな、というのも浮かび上がってくる。幸いなことに、この自己分析の過程で負の感情をだいぶ逃してあげることができるので、それでも怒りがおさまらないということはほとんどなくなってしまうのです。