アイスショー「アイス エクスプ ロージョン2020」(1月10~12 日、横浜)で座長を務めた高橋大輔(撮影:田中宣明)
12月15日のNHK『あさイチ』プレミアムトークに高橋大輔さんが登場。フィギュアスケート男子初のオリンピックメダリストとして活躍した高橋さんの魅力に迫ります。さらに新作アイスショーの舞台裏も!今回は、カメラマン・田中宣明さんが、写真と共に高橋さんの注目ポイントを紹介した『婦人公論』2020年2月25日号の記事を再配信します。


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フィギュアスケート男子の魅力を伝える、『婦人公論』の人気連載「氷上に舞う」。2019-20シーズン開始から、注目スケーターたちの素顔を、カメラマン・田中宣明さんの写真と文とともに紹介してきました。現在発売中の『婦人公論』5月12日号で最終回(最終回は羽生結弦選手)を迎えた本連載を、特別にウェブで公開! GWの間、毎日配信します。8日目は「高橋大輔選手(高ははしごだか)」です。(撮影・文=田中宣明)

※本記事は、『婦人公論』2020年2月25日号に掲載されたものです

高い技術と類い稀なる表現力で新たな道へ

僕のカメラマンとしてのスタンスを変えてくれた人、それが高橋大輔というスケーターだ。初めて撮影したのは2001〜02年シーズン。一瞬で彼の生み出す世界に引き込まれた。

彼の氷上での演技力を目の前にすると、つい夢中でシャッターを切ってしまう。いや、「撮らされてしまう」という表現が正しいかもしれない。撮影後はいつも、「次はあの瞬間を狙ってみよう」と新たな課題が浮かんでくる。そしてまた次の試合の撮影に挑む――その繰り返しだ。撮る努力をさせてくれるスケーターに出会えたことは、カメラマンとしてとても嬉しかった。

彼のプログラムは、強く記憶に残っている。「ロクサーヌのタンゴ」「白鳥の湖ヒップホップバージョン」「道」「道化師」……。数え上げたらキリがない。新シーズンを迎えるたび、「今季はどんなプログラムだろう」と胸をワクワクさせていた。今でも、彼が使用した曲を耳にすると、豊かな表情やキレのあるステップが鮮明に思い出される。

19年の全日本選手権でシングルスケーターの自分に別れを告げ、アイスダンスの道を歩み始めた大輔。今後、日本で多くの人がアイスダンスにも関心をもつだろう。高い技術と類い稀なる表現力がどのように生かされるのか、目が離せない。そして大輔の未来がスケートとともにあること、それは僕にとって何よりの朗報である。

「氷上に舞う! Special フィギュアスケート日本男子ベストフォトブック2019-2020」田中宣明さん撮影の写真満載のフォトブック