漫才師でありながら、仏教マニアとしても知られるお笑いコンビ・笑い飯の哲夫さん。それにとどまらず、現在は《六足のわらじ》を履いて生活しているといいます。一風変わった働き方をのぞいてみると、独自のお金の使い方も見えてきて――(構成=野田敦子 撮影=田原由紀子)
友だちに負けまいとバイトを掛け持ち
おかげさまで、最近はいろんな仕事をさせていただいています。仏教マニアに始まり、塾経営者、農家、花火解説者、わらじ作り教室の講師……。《何者》感が強いですが、僕の職業はあくまでもお笑い芸人です。
お笑いの道に入ったのは、大学を卒業してすぐでした。教職に就きたいと考えた時期もありましたが、「先生になるには僕は面白すぎるな」と(笑)。
中学時代から、思いついたことを紙に書いては授業中に回して、友だちを噴き出させて遊んでいたんです。もっと大勢の人に笑ってもらいたい。就職を前に、そんな気持ちが強くなりました。
でも、大阪のNSC(吉本総合芸能学院)に通うにはお金がかかる。ほかに何か方法はないかと考え、インディーズライブを開いたりしながらチャンスを狙っていました。
そして2000年に西田(幸治さん)と「笑い飯」を結成した翌年、オーディションに合格して吉本に所属することになったんです。