NHK大河ドラマ『光る君へ』の舞台である平安時代の京都。そのゆかりの地をめぐるガイド本、『THE TALE OF GENJI AND KYOTO 日本語と英語で知る、めぐる紫式部の京都ガイド』(SUMIKO KAJIYAMA著、プレジデント社)の著者が、本には書ききれなかったエピソードや知られざる京都の魅力、『源氏物語』にまつわるあれこれを綴ります。
紫式部の墓所
京都市北区紫野(むらさきの)。堀川北大路の交差点を南に下ったところに、紫式部の墓所があります。あまりにも目立たないので、京都の人にも、その存在をほとんど知られていないとか。
日本が誇る偉人、そして、話題を集める大河ドラマのヒロインのお墓としては、少々寂しく感じますが、ドラマのさらなる盛り上がりとともに、お参りする人も増えるかもしれません。
「紫式部」という呼び名は、紫野にちなんでいるとも、『源氏物語』のヒロイン・紫の上に由来するともいわれています。『光る君へ』ではまひろと呼ばれていますが、本名はわかっていないそうです。(記録に残る最初の女房名は「藤式部」で、やはり紫色に関連した名前だったようです)
紫野には、『源氏物語』ゆかりの寺、雲林院があり、紫式部はこの寺で晩年を過ごしたと伝わっています。そんな縁で、この地(古記録によると、「雲林院の塔頭・白毫院の南」)に墓所がつくられたのでしょうか。