休場力士が多くても国技館は満員
大相撲夏場所は中日8日目を終えて、1敗でトップを保ったのは、昨年夏場所の入門から1年で小結になった23歳の大の里とベテランの37歳の前頭16枚目・宝富士の2人だけである。
三役以上の力士は9人いるが、7日目までにそのうち5人が休場するという情けない異常事態になっている。横綱・照ノ富士と大関・貴景勝は2日目から休場。カド番の大関・霧島は初日から1勝しかできず、7日目に前頭3枚目・翔猿との対戦が組まれていたが、休場することが館内に放送され、「エッエーッ!」という観客たちの声がテレビから聞こえてきた。霧島は首を痛めていて再出場の可能性がなく、負け越しとなるため、来場所は関脇に陥落する。ただし、関脇で10勝すれば大関に戻れる。関脇・若元春は7日目から、小結・朝乃山は初日から休場だ。発表された診断書の病名を一人一人書くと、医療記事のようになってしまうのでやめておく。
出場している大関の琴櫻は2敗、大関・豊昇龍は3敗だ。
初日に15日間のチケットが完売だと放送された。休場力士が多くても国技館は満員で、声援で盛り上がっている。攻防のある相撲と人気力士が活躍のおかげだろう。
根性のある相撲と珍しい技が魅力の前頭4枚目・宇良は、6日目まで連勝していた。宇良の人気で館内は大いに盛り上がっている。
大の里は、幕下10枚目格付出しでデビューし、髪がまだ伸びないのでちょん髷。身長192cm、体重181kgの堂々たる体格で、顔の表情も堂々としていて、これで立派な大銀杏が結えたら「堂々のしすぎ」が予想される。大の里は6日目に、右で下手を取って体を寄せて琴櫻を土俵から出した。7日目の前頭筆頭・熱海富士との対戦は、まるで優勝がかかった結びの一番のような観客の声援の中、大の里は下手出し投げで勝利。8日目は前頭筆頭・大栄翔をはたき込んだ。