近年の研究で、脳と腸の密接な関係「脳腸相関」が解明されるなど、腸への関心は高まるばかりです。大事なのは、自分に合った対策をすること。医師のアドバイスをもとに今の腸がどんな状態にあるかを知り、便通改善、免疫力アップ、フレイル(虚弱)予防にもなる効果的な方法を取り入れましょう。腸活がもたらす変化は実にさまざま。腸内細菌学の第一人者・内藤裕二医師に、最新の研究に基づく健康効果を聞いてみると――(構成=島田ゆかり)
【メリット1】血管がしなやかに
ヨーグルトなどでビフィズス菌を摂取すると、腸内でポリアミンという細胞の成長因子が産生され、血管内皮機能を改善するなど動脈硬化予防に繫がります。
また、食物繊維やオリゴ糖は、腸内細菌で分解されると悪用菌の増殖を抑える「短鎖脂肪酸」となり、動脈硬化の原因となるコレステロールの生成を抑制。
血管を若々しく保つのに役立ちます。
また、食物繊維やオリゴ糖は、腸内細菌で分解されると悪用菌の増殖を抑える「短鎖脂肪酸」となり、動脈硬化の原因となるコレステロールの生成を抑制。
血管を若々しく保つのに役立ちます。
【メリット2】睡眠の質を上げる
質のよい睡眠のカギとなるのが、「睡眠ホルモン」と呼ばれるメラトニン。その材料になるトリプトファンは、たんぱく質が腸内で分解され生成されます。
腸内細菌のバランスがよければトリプトファンがより多く作られ、メラトニンも増産。質のよい睡眠を手に入れられるのです。
腸内細菌のバランスがよければトリプトファンがより多く作られ、メラトニンも増産。質のよい睡眠を手に入れられるのです。
【メリット3】認知機能の低下を予防
「脳腸相関」という言葉があるように、脳と腸は自律神経やホルモンを介して相互に関係しています。
ストレスを感じるとお腹の調子が悪くなる、というのはよく見られる例ですが、下痢や便秘が続くなど腸内環境が悪化したまま放置していると、自律神経が乱れ、脳の活動に影響が出るというデータも。
また、認知機能の低下が見られる人は、特定の腸内細菌が少ないこともわかっています。
ストレスを感じるとお腹の調子が悪くなる、というのはよく見られる例ですが、下痢や便秘が続くなど腸内環境が悪化したまま放置していると、自律神経が乱れ、脳の活動に影響が出るというデータも。
また、認知機能の低下が見られる人は、特定の腸内細菌が少ないこともわかっています。