2024年上半期(1月~6月)に『婦人公論.jp』で大きな反響を得た記事から、今あらためて読み直したい1本をお届けします。(初公開日:2024年02月04日)
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1977年『東西対抗チビッコ歌まね大賞』の出演をきっかけにスカウトされ、1984 年のデビュー以来40年に渡って歌い続け、近年では海外でも活動する神野美伽さん。朝ドラで話題の笠置シヅ子さん役として音楽劇『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~』の主演を務めた。笠置さんをはじめとする昭和の歌手に受けた影響と、自身の歌手人生を振り返る。
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1977年『東西対抗チビッコ歌まね大賞』の出演をきっかけにスカウトされ、1984 年のデビュー以来40年に渡って歌い続け、近年では海外でも活動する神野美伽さん。朝ドラで話題の笠置シヅ子さん役として音楽劇『SIZUKO! QUEEN OF BOOGIE~ハイヒールとつけまつげ~』の主演を務めた。笠置さんをはじめとする昭和の歌手に受けた影響と、自身の歌手人生を振り返る。
「生き方」と言うのは人それぞれ
「生き方」と言うのは人それぞれ、じつに色々なスタイルがあります。特に今の時代、個人の自由が大変重んじられ、それに対して世間もとやかく言うことがなくなって来たように思います。それは、近年世の中が大きく変わったと感じることの1つであります。
笠置シヅ子さんは、人気歌手でありながら当時、結婚と言うプロセスを踏むことが出来なかった恋人との子を出産する生き方を選びました。んんん...、果たして自らその生き方を「選んだ」のか、はたまた、人生の激流に呑み込まれるが如く身をまかせたのか、それは御本人のみぞ知るところでありますが...。
笠置さんの人生に起きたこの出来事は、近年の芸能界であれば特段驚くようなハナシではありませんが、時は昭和22年、日本が戦争に負けてまだ2年も経たない時代のことです。センセーショナルであったことは容易に想像できます。
笠置さんは、出産のわずか4ヵ月前に引退を決意した上で日劇の長期公演の舞台に立ちます。これは、歌手としても女性としてもとても真似の出来ることではありません。長期公演の舞台は、それほど身を削る、命を削る過酷なものであるということを私もよく知っているつもりです。
「これが最後」という、よほどの決意が有ったのでしょう。周りの関係者や、笠置さんを愛したファンの方々への責任感や律義な気持ちが有ったのでしょう。それらが痛いほど分かるゆえ、私などは、心底感動してしまいます。