『婦人公論』8月号(7月15日発売)では、「豪雨、地震、台風……今すぐ見直すわが家の防災」という特集を組み、自然災害への備えについて特集しました。そのなかから、選りすぐりの記事を配信します。
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命を守るために、防災用品などものの準備はもちろん、《心の準備》もしておきませんか。神奈川県と富山県の2拠点生活をしている女優の紺野美沙子さんが、防災心理学の専門家、矢守克也さんに災害時に役立つアドバイスを聞きました (構成:上田恵子)
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命を守るために、防災用品などものの準備はもちろん、《心の準備》もしておきませんか。神奈川県と富山県の2拠点生活をしている女優の紺野美沙子さんが、防災心理学の専門家、矢守克也さんに災害時に役立つアドバイスを聞きました (構成:上田恵子)
元日に発生した能登半島地震では
紺野 自然が豊かではあるけれど、災害も多い日本。今日は《防災》についての心構えをうかがいたいと思います。まず、今年は元日に能登半島地震がありました。
矢守 紺野さんはその時、どこにいらっしゃいましたか?
紺野 午後4時過ぎ、私は帰省していた息子と夫とともに横浜の自宅にいました。サッカー日本代表戦の中継を見ながら夕食の支度をしていたら、グラリと来て。結構揺れましたね。
夫は、富山県氷見市の副市長という立場にあります。「氷見にも被害が出ているだろうからすぐに戻る」と急いだのですが、新幹線も氷見線も動いておらず、やむなく自宅で待機することに。
正月気分は一瞬で吹き飛び、テレビで情報をチェックしたりスマホとにらめっこしたりする不安な三が日でした。
矢守 氷見のお宅は無事だったのでしょうか?
紺野 マンションの上のほうの階なのでかなり揺れた様子でした。テレビ、電子レンジ、冷蔵庫などの家電が倒れ、食器類もほぼ全滅。水道も使えなくなり、ペンダント型の照明器具は全部壊れて床に散乱していたので、仕事のない時はずっと氷見で片づけをしていました。
矢守 それは大変でしたね。水道管などは大丈夫でしたか?
紺野 配管に不具合が出たようで、マンション内の工事がありました。水道管が街のあちこちで破裂してトイレは1週間使えず、能登半島に近いエリアほど復旧に時間がかかったそうです。そして被害が大きかった能登半島の地域では、今も復旧作業が続いていて大変だと思います。