1989年に漫画家デビュー、その後、膠原病と闘いながら、作家・歌手・画家としても活動しているさかもと未明さんは、子どもの頃から大の映画好き。古今東西のさまざまな作品について、愛をこめて語りつくします!(写真・イラスト◎筆者)
巨匠オリバー・ストーンが映画化した硬派の社会派ドラマ
「抗議すべき時にしないのは卑怯者だ」
ドキッとする言葉で始まるこの長編映画は、あのJohn Fitzgerald KennedyことJFKの暗殺を「陰謀」だとして法廷で争った唯一の検事、ジム・ギャリソンの目を通してケネディ暗殺をひもとく。彼の著書・『JFKケネディ暗殺犯を追え』などをもとに、巨匠オリバー・ストーンが映画化した硬派の社会派ドラマである。
今度日本でも総裁選があり、次期総理が決まる。しかし日本は民意の反映より自民党内の票の獲得が結果を産むため、国民はあまり熱くなりえない部分がある。一方、アメリカがこの秋に控える大統領選の盛り上がりは半端ない。トランプ氏は2回も狙撃されているし、ウクライナやパレスチナでおきた戦争の行方も、アメリカ大統領次第で変わる。今回は世界中が注目しているといっていいだろう。
とはいえ、日本でも安倍元総理が暗殺された。アメリカでも日本でも、国を担うという仕事が「命がけ」なのは間違いない。その「重さ」がいやというほどわかるのがこの『JFK』なのだ。
堅いテーマだが一気見してしまうのは、編集の巧みさと、主役の検事を演じたケヴィン・コスナーの恰好良さが半端ないからだろう。