『ココでのはなし』の場面写真(美園泉)
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日本映画界を牽引してきた吉行和子さん。母は美容の草分けとして朝ドラ『あぐり』(1997年)のモデルになった吉行あぐりさん、兄は作家の吉行淳之介さんだ。9年前に、107歳になる母を見送って一人になった吉行さんが出演する『ココでのはなし』は、ゲストハウスに集う人々の交流と愛おしい日々を描いたヒューマンドラマ。ワルシャワ国際映画祭を皮切りに、すでに10以上の映画祭で上映され、評価を得ている。吉行さんは今回、若者たちの心の拠り所となる泉さんを、小柄な身体で纏う風格とチャーミングさで演じている。映画の公開に合わせ、撮影現場の日々などを吉行さん自身に綴ってもらった。(写真提供◎吉行さん)

「ココ」というゲストハウス

「ココ」というゲストハウスに集ってきた人達の話です。オーナーは40代。彼のお母さんの友達だったということで、私も入れてもらっています。私以外はみんな若者。

それぞれ悩みはありますが、ともかく「ココ」にやって来て、心を通わせ、少しずつ元気を取り戻していっています。

おにぎりや味噌汁、野菜の煮物、手作りの御馳走がいかにも美味しそう。

こういう場所があったらいいですね。

映画はフィクションですが、観てくださった方が、「ココ」があればいい、「ココ」を作ろう、と思ってくだされば、どんなに嬉しいでしょう。

私もこの映画のおかげで、新しい体験をいくつかしました。だから、とっても楽しい撮影でした。年をとってもこんな生活が出来るのは貴重です。