101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社) から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。
<生きていることが楽しくなる秘訣>
女性も男性も家事は自立の第一歩
自立というのは、なにも経済的な自立だけをさしているわけではありません。平たくいうと「自分のことは自分でできるように」ということです。
男の方は、どうやら高を括っている方が多いようです。定年後も、家事は妻任せ。ところが妻が病気になり、自分が何もできないことに愕然とした、という話をよく聞きます。
高齢になってから「この歳で、こんなことをするとは思わなかった」と感じるのは、けっこうつらいはず。
人間として生きていく上で、身の回りをきれいにし、自分で自分を食べさせるのが、自立の出発点です。
男性も女性も、若い頃から家事を身に付けておいたほうが、結局は将来、自分が楽になります。