(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が実施した「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、過去1年間でメンタルヘルス不調により1カ月以上休業、または退職した労働者がいた事業所の割合は、13.5%だったそうです。会社を休むことにためらいを感じてしまう方もいるなか、産業医・心療内科医の薮野淳也先生は「今や休職は、めずらしいことではなくなっている」と話します。そこで今回は、薮野先生の著書『産業医が教える 会社の休み方』から「正しく、適切で、安全な」休み方を一部ご紹介します。(構成/橋口佐紀子)

適応障害の4つのサイン

適応障害とは、生活のなかで何らかの外的なストレスがあって、3か月から6か月経っても慣れることができず、日常生活に支障をきたすほどの心身の症状が出る病気です。

適応障害が生じる原因は人によっていろいろですが、表れる症状はだいたい一致しています。

私が診察のときに必ず聞くのは、次の4つです。

「食事はとれていますか?」
「眠れていますか?」
「休みの日はどうやって過ごしていますか? 出かけていますか?」
「土日にも気分が落ち込むことはありますか?」

食欲がなくなることは健康な人でもときにあると思いますが、体重が減るほど食事がとれなくなるのはやはり問題です。