読み始めるとすぐに引き込まれました…(写真:stock.adobe.com)
時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは茨城県の80代の方からのお便り。日課となった散歩の途中で立ち寄った図書館で出会ったのは――。

抱腹絶倒の名調子

齢80を目前にして、なにげなく手にしたさくらももこさんの著書にのめり込みました。それまでは恥ずかしながら、さくらさんは子ども向けの漫画家とばかり思っていたので、読んだことがなかったのです。

昨年末に仕事を辞め、正月明けからたっぷりできた時間。日課となった散歩の道すがら図書館に立ち寄るようになり、ふと手にしたさくらさんの著書はエッセイでした。

テーマごとにかわいいイラストが描かれたもので、イメージとまったく違う!と驚いたものです。

読み始めるとすぐに引き込まれました。文章は愉快な名調子の連続で抱腹絶倒。あっという間に館内にある約20冊を読破し、気に入ったものは2度、3度と繰り返し楽しみました。

さくらさんは子どもの頃からピュアで、漫画を描くのが大好き。努力の末漫画家の夢を叶えました。エッセイから垣間見えるのは、生きものたちに向ける鋭い観察力と愛情。そして、人々との温かな交流です。