音楽評論家・作詞家として、60年以上にわたって活躍し続けている湯川れい子さん。美容家・タレントとしてお茶の間に笑顔を届けるIKKOさん。自分自身がハッピーでいるために、人とお金にどう向き合っているのでしょうか(構成:丸山あかね 撮影:富田眞光)
一夜にして6億円の負債を抱えて
湯川 お話ししていて、IKKOさんと私は正反対だなと感じました。私は基本的に自己肯定感が高いの。これは育った環境によるものだと思います。兄が二人と姉がいて、ポーンと離れて生まれた末っ子だったので、すごく可愛がられた。
何をしても褒められていたものだから、人に話したらムリムリと言われてしまうような壮大な夢でも、「私ならできる」って信じられて。
IKKO 最強ですね。(笑)
湯川 だから実際、女優になりたいと思ったら迷わず、新聞で見たオーディションに参加して女優になって、売れなくても音楽のほうが好きだわ、と思って音楽雑誌に投稿したら、認められて評論家になれたし。
IKKO 絶対無理と言われていたビートルズのインタビューに成功したり、大好きなエルヴィス・プレスリーに会いたいと思っていたら本当に会えた、という逸話も有名ですよね。
湯川 自己肯定感は奇跡を引き寄せるというのが持論なの。でもいいことばかりではなくて、私はお金では苦労しました。
離婚した夫のことを元の旦那という意味で「元旦(がんたん)ちゃん」と呼んでいるのだけれど、元旦ちゃんがバブル崩壊で一夜にして6億円もの負債を抱えてしまい、住んでいた家も失ったの。
挙句に「助けてください。子どもができました」という置き手紙を残して出て行かれて、60代は波瀾の連続でした。