101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社)から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。

<生きていることが楽しくなる秘訣>

身だしなみを整えると気持ちが前向きになる

姑の毎日の身だしなみを見ていました。

93歳で認知症を発症するまで、朝起きるときちっと着替えをし、洗顔後はフランス製の化粧品でうっすらお化粧をし、ブラッシング100回を欠かしませんでした。

おしゃれと身だしなみは、ニュアンスが少々違います。姑の習慣を見て、私も見習わなければと思ったものです。

おしゃれは、主におでかけのときにどういう恰好をするか。身だしなみは、日常生活の中できちっとする、ということだと思います。

起きたら着替えるというのも、最低限の身だしなみ。着替えると生活にけじめがつき、「さぁ、今日も一日が始まる」と、心構えがつくからです。

 

(写真:stock.adobe.com)

 

高齢になると万事しんどくなるので、身だしなみにかまわなくなり、生活がずるずるしがちです。

だからといってだらしなく過ごしていると、気持ちも後ろ向きになり、なんとなく鬱々してきます。

いつも前向きな気持ちでいるために、歳を重ねれば重ねるほど、身だしなみは重要だと思います。

 

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