101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社) から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。
<生きていることが楽しくなる秘訣>
「できない」ことを受け入れる
歳をとると、それまであたりまえにできていたことが、だんだんできなくなります。
足腰が弱るので歩くのもままならないし、しゃがむことができないので床のゴミも拾えません。年齢とともに肉体は衰え、できないことが増えます。
でも、失ったものを数えて嘆いていたら、どんどん暗くなり、みじめな気持ちになるばかり。人によっては愚痴が増え、まわりの人を辟易させるかもしれません。
能力が落ちたら、それに変わる方法を工夫することも大事ではないでしょうか。また、老いてからも明るく楽しく生きるには、できないことはあきらめる潔さも必要です。
かつてと同じように暮らせなくても、与えられた今の生活を自分らしく楽しむことができたら、十分幸せだと私は考えています。