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健康寿命が延びる中、お金の不安を解決する唯一の方法は「働き続けること」。『とらばーゆ』元編集長であり、人生100年時代のライフシフトを研究する河野純子さんは、65歳までを年金の「待ち時間」とせず、「雇われる働き方」から「雇われない働き方」へとシフトする準備を始めるべきだと語ります。その目標は好きな分野で小さな仕事を立ち上げ、90歳まで続けていくこと。会社や家族のためではない、自分のための人生へ。ライフシフトするためのポイントを、河野さんの著書『60歳の迎え方 定年後の仕事と暮らし』より紹介します。

変化の時代に必要な「変わるチカラ」

60歳からの時間、働き方、暮らし方を考え、ライフシフトを前に進めるための法則の一つが「変身資産を活かす」ということ。

「変身資産」とは、リンダ・グラットンの著書『LIFESHIFT』の中で提示された、変化の時代を生きる私たちに必要な目に見えない資産。人生に変化を起こしていく「変わるチカラ」です。

『LIFE SHIFT』の中では、「変化し成長し続けるための意思と能力」と定義されていますが、私が参加しているライフシフト・ジャパンでは、ライフシフターの分析と専門家とのディスカッションを通じて、人生に変化を起こしていく「心のアクセル」10項目、変化の歩みを止めてしまう「心のブレーキ」10項目として独自に体系化しました。

「変身資産」として「心のブレーキ」を発見できたことは、大きな成果だと思っています。多くのライフシフターは、自身の「心のアクセル」を活かすだけでなく、「心のブレーキ」を手放したり、緩めたりしながらライフシフトを前に進めていたからです。

特に日本人の場合、長い会社員生活の中で、いつのまにか「心のブレーキ」が大きく育っていて、変化を妨げてしまっていることが多いように思うのです。

では具体的に「心のアクセル」10項目、「心のブレーキ」10項目を紹介しましょう。皆さんの心の中にも必ずあるものですから、自分は何を強く持っていそうか、考えながら読み進めてみてください。