「10代からの友人が天皇陛下になられたことは、光栄であるとともに、ちょっと不思議な感覚です」(撮影:吉場正和)
高校生の時、オーストラリアから留学生として学習院高等科へやってきたアンドルーさん。以来、陛下との親しい交流が始まります(構成=篠藤ゆり 撮影=吉場正和)

ニックネームは“じぃ”

2019年11月10日、私も天皇皇后両陛下のご即位をお祝いしようとパレードに出かけました。テレビで拝見した即位の儀式は日本の伝統を感じさせるおごそかなものでしたが、パレードは一転してオープンな雰囲気。

さまざまな世代の方がいらしていて、今上天皇と雅子さまは国民からの人気がとても高いと感じ、私としても本当に喜びを感じました。そして両陛下、とりわけ雅子さまの笑顔が輝いていたことが、心から嬉しかったです。

10代からの友人が天皇陛下になられたことは、光栄であるとともに、ちょっと不思議な感覚です。そして、まだまだ若々しくいらして、いいタイミングで即位なさったな、とも感じます。両陛下とも国際感覚が豊かで、今の時代にぴったり。上皇陛下もご健康なうちにご退位なさったので、次の世代を温かく見守ることができます。

私は16歳の時、オーストラリアからの交換留学生として学習院高等科2年に編入しました。1学年下に宮さまがいらして、初めてお会いした際に、私から「お友だちになっていただけませんか?」と申し上げたところ、「喜んで」とおっしゃって。その後、先生の勧めもあって参加したクラブ活動「地理研究会」の集まりでご一緒するようになり、友人関係が始まりました。

夏休みに、地理研の合宿で能登半島に行った時、ホテルの部屋で宮さまが「私のニックネームは“じぃ”です」とおっしゃいました。でも私はじぃの意味がわからず、そうお呼びすることはありませんでした。