2010年に情報サイトを立ち上げ、独自の目線でパリとフランスの素顔を発信しているのは、フランス在住の日本人ふたり組であるトリコロル・パリさん。そんなお二人が、フランスの1年365日を紹介している著書『フランスの小さくて温かな暮らし 365日──大切なことに気づかせてくれる日々のヒント』より一部を抜粋し、<めぐる季節の中で暮らしに取り入れたい毎日のエッセンス>を当連載にてお届けします。
LGBTの闘いを受け継ぐゲイ・プライド
2017年に40周年を迎えた「Marche des fiertes(マルシュ デ フィエルテ:誇りの行進)」と呼ばれるパリの「ゲイ・プライド」は、毎年6月末の土曜の午後、コンコルド広場からレピュブリック広場までを練り歩く一大イベント。
フランスで同性愛を犯罪とみなす刑法の条文がようやく廃止されたのは1982年のこと。
1999年からは民事連帯契約(PACS:パックス)で異性・同性間にかかわらず、未婚でも結婚と同様の法的権利が与えられ、2013年には同性婚が合法化されました。
人権の国フランスはLGBTフレンドリーなイメージがあるかもしれませんが、カトリックの大きな影響を受けてきた国でもあり、LGBTの闘いは他の国同様、長い苦難の道のりなのです。