大久保佳代子
(写真提供:マガジンハウス)
お笑いコンビ「オアシズ」のメンバー・大久保佳代子さん。1992年にデビューし、芸歴が30年を超えた今も数多くのバラエティ番組で活躍されています。今回は、そんな大久保さんが12年以上にわたって書き綴ってきたエッセイ集『パジャマあるよと言われても』から一部を抜粋し、ご紹介。「『パジャマあるよ』と言われた時、10歳の時と28歳の時の反応が違うように、人って変化していく生き物なんだと思います」と語る大久保さんが、これまでに起きた出来事や関心事を赤裸々に明かします。

嘘でもいいから褒めておだてて調子に乗らせて! 

ここ10年くらいで、テレビ業界はすこぶる変わった。コンプライアンスが厳しくなり、下ネタ&セクハラ芸の2つの武器で戦ってきた私としては、ほぼほぼ丸腰状態に。

読み返すと、45歳で下衆い週刊誌の袋とじ用にグラビア撮影をしていてびっくり。玉こんにゃくやゴーヤを小道具で使ったのを思い出す。「年の割にはキレイですよ」「需要ありますって。一部のマニアから」などおだてられて、ぼてぼてボディを晒しちゃって。調子こきまくってたんだな。

でも、「おだてられて調子をこく」ってとても大事。特にこの仕事は、嘘でも自信を持っていないとやっていられない。

「私なんて、贅肉やシミだらけのくすんだカバ面の中年女。こんなおばさんの話なんて誰も興味ないし、見たいわけがない」なんて思い始めたら最後。口は開けない。顔は上げられない。全くもって身動き取れない。

この仕事をするためには、褒め言葉(嘘でも可)がマストなんです。「大久保さんは芸人として面白い」とおだてられゴリゴリのお笑い番組『有吉の壁』でネタっぽいことをやってみたり、「大久保さんの演技って素敵です」とおだてられドラマや映画に出演し演技っぽいことをしてみたり。