学校に行くのがつらい子どもたちにとって、長期休暇明けは苦しい時期。特に小学生の不登校は近年増加傾向にあり、共働きの親が離職せざるを得ないケースも出ているという。不登校ジャーナリストの石井しこうさんの新刊『小学生不登校 親子の幸せを守る方法』(KADOKAWA)には、学校への行き渋りが始まった時に役に立つよう、子どもへの声かけや学校への対応など具体的な方法を盛り込んだ。石井さんに話を聞いた。(取材・文:婦人公論.jp編集部)
低学年で増える不登校
<石井さんは、自身も不登校の経験者。不登校ジャーナリストとしてこれまで400人以上の当事者や親に取材をしてきた。今回初めて小学生の不登校に特化した本を出版した>
7~8年前から小学校低学年で不登校になる子どものお母さんたちからの相談が増えてきました。実は、文部科学省の調査によると、2014年度の小学生の不登校数は2万5886人でしたが、2023年度には13万370人とこの10年で5倍以上に増えています。
今はいい意味でも悪い意味でも、子育て情報があふれていて、「いい親にならなければ」と思っているお母さんがすごく多い。子どもが不登校になってしまうと、一気に「自分はダメな親なんだ」と苦しんでしまう。新刊の『小学生不登校 親子の幸せを守る方法』では、親がしなくていいことリストを掲載しました。
いい親であることを捨ててもらって、子どもも親も楽になって幸せになってもらうためには具体的なアドバイスがいいだろうと考えたんです。新刊では、学校への相談の仕方や文章例、学校への手紙の書き方の具体例も掲載しました。不安定な状態の子どもと過ごしながら学校とのやりとりは大変です。学校への連絡で疲れ果ててしまう親もすごく多い。こんなやり方があるんだと知ってもらえたら楽になると考えています。