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4月7日の緊急事態宣言発令後、現金支給や休業補償がどの程度なされるのか、案じる人も多いでしょう。経済ジャーナリストの荻原博子さんより、現実的でスピード感のある経済施策の提言を寄せていただきました。

各家庭が最低限生きていけるように

新型コロナウイルスが猛威を振るうなか、4月7日には7都道府県に「緊急事態宣言」が出され、国民の多くが先の見えない不安を抱えています。

しかも、感染の恐れだけでなく、経済活動の休止に、倒産やリストラ、給与カットへの恐怖、テレワークによる残業カットで給料減の懸念も。今の状況は、たとえていうなら「全国が被災地」になったようなものです。

政府でも、さまざまな支援を考えているようですが、いざ支援が決まっても国会審議などで時間がかかるため、実行される前に生活が立ち行かなくなってしまう人が続出しそうです。しかも「すべての一般家庭」に対する施策は、現在のところ「一世帯あたりマスク2枚を配布」以外にありません。

そこで、私が提言したいのは、各家庭が最低限生きていける「ライフライン」を政府が保証すること

家庭のライフラインとは、最低限必要な電気、ガス、水道の料金です。基本料金を含めたこれらの料金を、少なくとも半年間は無料にすることを提案します。

ライフラインを半年間無料にしても、かかるお金は2兆500億円。電気、ガス、水道の料金は、ほとんどのご家庭が口座引き落としなので、政府が「ライフラインの料金を国が負担する」と自治体と事業主に要請すれば、一般家庭は面倒な手続きも、窓口に出向く必要もなく、すぐ翌月からメリットを受けられます。

当初7000億円と言っていたオリンピックに、3兆円もかけられる国です。みんなに半年間、生活の安心を与えるのに2兆円くらいのお金が出せないはずはないでしょう。

新型コロナウイルスとの闘いを終わらせることは、一朝一夕にはできません。目先の単発的な政策ではなく、今こそ、全国民の生活を長期的に下支えする政策を行うべきです。