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終活は、自分の死後を考える悲しい作業とは限りません。本心と向き合う時間が、今を生きるための支えになることも。実際に準備をしたという、3人の心情は――。

1よりつづく

義父の納骨で知った衝撃の風習

サヤカさん(65歳・仮名=以下同)とツトムさん(66歳)は、結婚40年目を迎える仲良し夫婦だ。

「相性はいいほうだと思いますけど、とくに可もなく不可もない関係。子どもがいないせいか、学生時代の友人関係のまま来てしまったという感じですね」

2人とも高齢の親を抱えていたが、それぞれが自分の親の介護に責任を持つのは暗黙の了解。2年前、ツトムさんの父親が倒れたときもサヤカさんの出番はなく、ツトムさんが実家通いをして見送った。

「さすがに葬儀には長男の妻として参列しましたが、義母も私のことはお客さん扱いで、ちょっと申し訳なく思いました」