(写真:『フランス人はママを理由に諦めない』より)
2017年からフランス・リヨンに住む日本人のロッコさんは、9歳、7歳、1歳の3人の子どもたちと、フランス人の夫と共に暮らしています。完璧主義や頑張りすぎる傾向に悩んでいましたが、フランスで暮らすようになったことで「こんなに肩の力を抜いても子どもはちゃんと育つんだ」と気が付いたそうです。今回は、そんなロッコさんの著書『フランス人はママを理由に諦めない』から一部を抜粋し、賢く手を抜いて自分らしく生きる暮らし方を紹介します。

「母乳かミルクか」はママが決める

長男は日本、二男と三男はフランス生まれ。日仏それぞれの子育てに対する考え方の違いを知る、貴重な経験をさせてもらったように思います。とくに二男の妊娠期間中は、毎回の診察が驚きの連続でした。

たとえば、産院で「母乳をあげる予定ですか?」と聞かれたときは、思わず耳を疑いました。初産では「母乳は赤ちゃんにとって最良」と学び、当然のように母乳育児をしていたからです。そのため、当初はこの質問の意味がまったく理解できませんでした。

そんな私に、フランス人の助産師さんは「決めるのはお母さん。母乳とミルク、どちらも立派な選択よ」と優しく話してくれました。

彼女の寄り添う姿勢とこの言葉を、今でもしっかり覚えています。