パリに対して、「洗練されたおしゃれな街」というイメージを抱いている人も多いかもしれません。しかし、毎年のようにパリでひとり旅を楽しんでいるという構成作家・松崎桃子さん(崎はたつさき)は、「わたしが知るパリは、もっと奥深くてカオスでおもしろい!」と語り、「これまでにない楽しくて新しい最高のパリの歩き方」を提案しています。そこで今回は、そんな松崎さんの著書『新しいパリでしたい100のこと~ガイドブックに載っていないパリひとり旅』から一部を抜粋し、再編集してお届けします。
まるで異空間! 芸術家の街モンマルトルの一角をただ歩く贅沢
いつも賑やかなパリですが、郊外に行かなくても、パリの中には「あれ、ここってパリなの?」と思うほど、のどかな雰囲気を感じるスポットがいくつかあります。まるで南仏や違う国に来たようなトリップ感が得られるパリのお散歩道をいくつか巡って行きましょう。歩くだけでも気持ちがいいのです。
18区、モンマルトルの丘の斜面にある小道「Villa Leandre(ヴィラ・レアンドル)(「Leandre」の一つ目の「e」はアキュート・アクセント付き、以降同様)」は、石畳の美しい通りでパリではめずらしいメゾン(家)が建ち並び、まるでイギリスにいるかのよう。
それぞれの家の奥には小さな庭もついています。レンガ造り、三角屋根など内装や外観が異なる牧歌的な姿に驚きます。ここはかつて芸術家、演劇人などが住んでいて、画家とした活躍したシャルル・レアンドルにちなんで「ヴィラ・レアンドル」と名づけられました。近年、この秘密スポットがインスタグラマーたちに見つかり、じわじわ人気が出てきたので、わたしは朝早く訪れました。
住んでいる人の邪魔にならないように、静かにひっそりと散策。派手ではないモンマルトルの裏側を歩くと、ここがなぜ芸術家から愛されたのか、その理由がわかる気がしました。
「Villa Leandre」Villa Leandre 75018 Paris
ロンドンの住宅地を歩いているかのよう(写真提供:松崎桃子さん)