経済ジャーナリストの荻原博子さんが、お金に関するお得な情報をわかりやすく解説する連載「トクする!荻原博子のマネーNEWS」。今回は「火災保険で自然災害対策」です。(イラスト:さかがわ成美 「婦人公論」2025年12月号より掲載)

火災保険で自然災害対策

近年、自然災害が増加傾向です。意外と知らない人が多いのですが、自然災害による浸水や家屋損傷などは、火災保険でかなりの損害が補償されます。

火災自体は防災意識の高まりによって減少してきていますが、にもかかわらず火災保険の保険料が鰻のぼりに値上がりしているのは、日本各地で災害数が激増しているから。10年前に比べると、同じ補償なら、金額が約1.4倍にもなっているのです。

ですから、自然災害で被害を受けた方は、まず火災保険で補償されるかを確認しましょう。

保険は、加入するなら長期のほうが割安。以前は最長36年まで契約可能でしたが、災害が増えたため、保険会社が想定外の支払いにも対応できるよう、2015年からは最長10年に短縮されました。それでも支払額の予測値を上回ったために、22年からは最長5年になっています。

今から10年前に、10年更新の火災保険に入った方は、そろそろ更新の時期。そうなると、現在の保険料が適用されるので、同じ補償内容でも保険料がいきなり1.4倍になる可能性があります。火災保険の金額は住んでいる地域や建物の種類にもよりますが、高くなるほうが圧倒に多いでしょう。