幕内最年長の40歳にして、毎場所若々しい相撲で土俵を沸かせる玉鷲関。今年七月場所では、昭和以降最年長となる40歳8ヵ月での金星を獲得し殊勲賞を受賞。さらに通算連続出場回数歴代1位など、記録を更新し続けている。「相撲がずっと楽しい」と口にしている《角界の鉄人》だが、プライベートでは意外な趣味もあって――(構成:古屋美枝 撮影:須合知也)
手芸やお菓子作りでストレスを与える
プライベートでは手芸とお菓子作りに没頭することが多いです。最近作ったのは、毛糸とフェルトを使った桜柄の花瓶敷きとコースター。いつもユーチューブや本を見たりしながら、自分なりに試行錯誤します。
先日はチェリーパイを焼きました。チェリーの種を抜いてジャムを煮て、パイ生地を作るところから始めて、パイ生地とジャムを重ねてオーブンで焼いて……。家族と食べましたが、美味しかったですよ。でも自分は甘いものが好きだからというより、ただ作ることが好きなだけ。喜んで食べてくれる人のために一生懸命作ってあげることが楽しいんです。
手芸やお菓子作りをするのはおもに場所中の夜なんですけど、それは〈小さなストレスを自分に与えるため〉でもあります。場所中は勝敗がかかっているからどうしても大きなプレッシャーやストレスにさらされますし、それを解消するのは難しい。だから小さなストレスを先に抱えることで、大きいほうのストレスを潰す、という考え方です。
手芸やお菓子作りは、細かい作業で神経を使うこともあるし、いつもうまくいくわけではなく、失敗したりもする。それをなんとかして成功させると達成感が得られて、大きなストレスもなくなるような気がするんです。