国士舘大学大学院客員教授・八幡和郎先生は、「近代日本において、全国のどこで生まれても地元の各都道府県に名門高校があり、良質な高校教育を受けることができることは国力の源泉となってきた」と語っています。当連載では、そんな八幡先生の著書『日本の名門高校 - あの伝統校から注目の新勢力まで』から一部を抜粋し、全国の名門高校をご紹介していきます。今回取り上げるのは「豊島岡女子学園高等学校」です。
豊島岡女子学園高等学校 私立/女子校/中高一貫/東京都豊島区東池袋
“女子校新御三家”で自由な校風が人気
名門女子校としては、日本女子大学、東京女子大学、聖心女子大学、白百合女子大、大妻女子大は有名女子大学の系列校として人気があった。慶応女子高校、学習院中等科・高等科も大学の系列校だ。カトリック系の高校は、学校推薦があり進学に有利な立場にあるとみられてきた。
古い時代には東京大学に進む女性が少なかった。女子に門戸を開いた昭和21年(1946)には、109名が受験、19名が合格した。その後、伸びが遅かったが、平成2年(1990)ごろから10パーセントを超え、平成12年(2000)頃からは15%程度。令和3年(2021)に初めて20%を超えた。お茶ノ水女子大附属が昭和40年(1965)に10名を超え、昭和57年(1982)にはそれまで一桁だった桜蔭が20名を合格させた。
旧御三家(桜蔭、女子学院、雙葉)、新御三家(豊島岡・吉祥・鴎友<「鴎」は正しくは旧字体>)などといわれるが、最近では豊島岡と神奈川県の洗足学園に勢いがある。豊島岡は自由な校風が人気なのに対して、洗足は男子校並みに厳しい進学校という人もいる。
