※本記事は、『幸福の晩酌 胃と心にやさしい94皿 』の一部を再構成したものです。
桜色尽くしの春の宵
桜が咲くと心が躍り、胃袋がワクワクし始めます。というのも、静岡県の由比(ゆい)で桜えび漁が解禁になるからです。
鎌倉のしらすもそうですが“解禁”というフレーズにてきめんに弱い私。数年前のゴールデンウイークには「由比の桜えびまつり」に出かけ、すごい人出に負けるものかとかき揚げを頰張ってきました。(編集部注:今年は新型コロナウィルスの影響で中止)
持ち帰った桜えびの釜揚げは桜貝のような初々しい薄紅色。ふわりと軽く、品のいい甘み。ついつい、つまみ食いの手が止まりません。
せん切りの大根と合わせてピリ辛の巻き餃子にすると、飲茶の大根餅を思い出させるおいしさです。
また、この季節の出合いもの、たけのこと一緒にお焼きにするとじつに香ばしく、絶品です。
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舟屋で知られる京都府伊根町にある向井酒造で、若い女性杜氏(とうじ)が醸(かも)した赤い酒。原料の古代米は杜氏の農大時代の友人女性が作っている。女性たちの手から生まれた酒は甘口のしっとりした味わい。冷やすと美味
そうそう、お花見用に取り寄せてあった珍しい赤米酒を開けましょうか。グラスに注ぐとルビーのように赤い、見目麗しい純米酒。まるで膳の上に花が咲いたような、桜色尽くしの春の宵です。
一度食べればやみつき! おつまみレシピ
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調理時間 15分/難易度 ★★☆
棒餃子なのでクルリと巻くだけ! 包むテクニックは不要です。大根のシャリ感と桜えびの風味が本当によく合います。さっぱりしているから、もしかして1人5本では足りないかも
《材料(2人分)》
餃子の皮…10枚
大根…80g
塩…1つまみ
桜えび(釡揚げ)…30g
※または干しえび…10g
コチュジャン…小さじ1
酢・醬油…各適量
サラダ油…大さじ1
《作り方》
(1) 大根は皮をむいてせん切りにし、塩をまぶして5分ほどおく。
(2) 大根の水気をよく絞ってボウルに入れ、桜えび、コチュジャンを加えて混ぜる。
(3) 餃子の皮に(2)を等分にのせ、端からクルクル巻き、巻き終わりに水をつけて留める。
(4) フライパンを中火で熱してサラダ油を入れ、(3)のとじ目を下にして並べ、転がしながら全体に焼き色をつける。
(5) 器に盛り、酢醬油を添える。