3月29日、新型コロナウイルスに感染し入院していた志村けんさんが息を引き取った。享年70。入院からわずか10日後のことでした。1970年代にザ・ドリフターズのメンバーとして『8時だョ!全員集合』などの番組に出演し、一躍スターに。以来、「バカ殿様」「変なおじさん」などのキャラクターで親しまれてきました。
現在発売中の『婦人公論』5月12日号では、志村さんの追悼記事を掲載。志村さんといっしょにお茶の間に笑いを届けてきた由紀さおりさん、小柳ルミ子さん、研ナオコさんが、生前の思い出を語ります。追悼特番にも出演した研さんはーー(構成◎本誌編集部)
現在発売中の『婦人公論』5月12日号では、志村さんの追悼記事を掲載。志村さんといっしょにお茶の間に笑いを届けてきた由紀さおりさん、小柳ルミ子さん、研ナオコさんが、生前の思い出を語ります。追悼特番にも出演した研さんはーー(構成◎本誌編集部)
涙を流しながら、たくさん笑いました
最初にけんちゃんの訃報を聞いたときは、「もう会えなくなっちゃう」ということしか考えられませんでした。今もまだ、現実を受け入れられていません。
けんちゃんがこの世を去った3日後の4月1日に、フジテレビで追悼特番が放送されました。出演者は、ザ・ドリフターズの加藤茶さん、高木ブーさん、仲本工事さん、いしのようこさん、そして私。みんな、けんちゃんとは長い付き合いの人たちばかりです。
『ドリフ大爆笑』でのけんちゃんの「変なおじさん」や「バカ殿様」のコント映像が流れると、スタジオの中はたちまち笑いでいっぱいに。私も涙を流しながら、たくさん笑いました。けんちゃんも、番組を見てきっと喜んでくれていたはずです。
番組の最後で、カトちゃんが「5人がそっち(注・天国)に全員集合したら、そっちのお客さんを大爆笑させようぜ。約束だぞ」と言ったとき、出演者とスタッフの張り詰めていた気持ちが、涙となって溢れていきました。
長さんに、「彼をメンバーに入れたらどう?」と
私とけんちゃんは、50年近い付き合いになります。出会ったのは、私がドリフターズのゲストとして招かれた現場でした。まだ荒井注さんがメンバーにいた頃ですね。
ある日、ドリフの楽屋へ挨拶に行くと、初めて見る顔が入ってきました。長さんに、「誰?」と聞いたら「ボーヤだよ」と。「いつ入ったの?」と私が話しかけてみると、余計なことは言わないのに、話し方や内容がとっても面白い。思わず長さんに、「彼をメンバーに入れたらどう?」と言ったことがありました。のちにそれが実現したときは、うれしかったですね。