
仕事、家事、恋、子育てと、日常を駆け抜けていらっしゃるお嬢様方、おかえりなさいませ。今夜も、執事がとっておきの短歌をご用意いたしました。お疲れの心にひとさじの癒やしになりますよう、どうかごゆっくりお召し上がりください。さて、本日はどんなお嬢様からのお呼びでございましょう……
「女性」として見られる居心地の悪さ
若ければ女はかなし自らの知らぬに君を誘ひしてふ
これはこれは、マチアプデート帰りのお嬢様。髪も自然にカール、唇はつやつや、まつ毛はマスカラでふわりと長く、着ているワンピースとバッグとヒールのコンビネーションもバッチリでございます。これはさぞかし、相手の殿方も夢中になられたのでは?
うむ、今日のお嬢様は複雑な表情。どうなさったのでしょう。ふむふむ、向こうは大変お嬢様にぞっこんのご様子であったと! おお、素晴らしい首尾ではありませんか! ここはスパークリングワインで乾杯といたしましょうぞ!
いや、違う? 何が違うのでございましょう。今日は最初のデート、お互いを知り合って、理解し合って、交際の発展となるところを……、え? お断りして来た? なぜでございますか? メッセージのやりとりの時はお嬢様も大変気に入っていた様子、ユーモアも誠実さもあって素敵なお方と言っていらっしゃったではありませんか?!
ふむふむ、ここはよく聞くべきでございますな。何がいけなかったのでございましょう。今日、あまりに女性として見られすぎていた……言葉を選ばずに言えば、下心満々だったとーー! いけません、そんな殿方はいけません。いくらお嬢様が可愛らしく美しく魅力的だったとしても、人格を見ず、性的な目だけで見るのは失礼というもの。さらにそのあとホテルに誘って来た? 一回目のデートで? あり得ませぬな。
