左から重松清さん、尾木直樹さん、村上里和さん(撮影:木村直軌)
いま再び首都圏を中心に緊急事態宣言が発令されようとするなか、コロナ下での学校運営や教育方針をどう設定していくべきか、手探りの状況は続きます。私たち大人は子どもたちをどう育んでいくべきなのでしょうか。教育評論家・尾木直樹さん、NHK『ラジオ深夜便』のアンカーを担当する村上里和さんをゲストに迎え、教育や子どもたちの問題からコロナ時代の生き方を考える「婦人公論井戸端会議2020」、後編をお届けします(構成=福永妙子 撮影=木村直軌)

<前編よりつづく

子どもの生きる力を信じてあげよう

重松 里和さんは『ママ☆深夜便』という番組も担当されていますね。

村上 「子育て中で眠れないママのために」と、『ラジオ深夜便』の特別番組として半年ごとに放送していたのですが、今年4月から月に一度の放送になりました。

重松 育児には不安や心配がたくさんあります。そこに新型コロナウイルスの事態。番組にはこの状況下でのママ世代のさまざまな声が寄せられるでしょう?

村上 ええ。お母さんたちも最初はウイルスがどういうものかわからないから、どのくらい気をつければいいのか、子ども同士、外で遊ばせるのはダメなのか、そんな不安の声が多かったですね。ただ、投稿をラジオで伝えることで、「ああ、こう思っているのは自分だけじゃない」「少し気が楽になりました」というリスナーも多いんです。

重松 ひとりだと不安が募る一方ですから。

村上 子育ては迷いの連続です。私には25歳の息子もいますが、今も「あのときの自分はダメな母親だったな」と反省しきりですし。

尾木 あら、村上さんにも子育ての後悔が?