時事問題から身のまわりのこと、『婦人公論』本誌記事への感想など、愛読者からのお手紙を紹介する「読者のひろば」。たくさんの記事が掲載される婦人公論のなかでも、人気の高いコーナーの一つです。今回ご紹介するのは50代の女性からのお便り。夫が他の女性とゴルフを楽しんでいると知って、動揺した気持ちを立て直してくれたのは――。
浮気疑惑に動揺して
定年退職した夫が、女性とゴルフに行っていると知ったときの衝撃は大きかった。若い頃、単身赴任中の遊びに感づいたときは黙ってやり過ごせたのだが、今回はなかなか気持ちの切り替えができない。
夫いわく「ゴルフをしているだけだよ」。そりゃそうでしょうよ。でも、「今のところね」なんて妻に言う!? やたらゴルフウエアを新調するなぁ。おしゃれになった? 時間があればゴルフの練習、テレビでゴルフ中継。その人にカッコいい自分を見せたいのね。
そもそも平日にゴルフができる女性とはどんな人なのだろう。自由に使えるお金と時間があり、長距離を運転し、ブランド物をおしゃれに着こなす。私とは真逆のタイプに違いない。
あまりにも悔しくて、自分のスマホのアドレス帳をチェックする。「彼とは食事をしただけよ」と夫に言ってやりたい。だが悲しいかな、そんな連絡先はもう残っていないのだ。
私はずっと穏やかな日常が続いていくものだと思いこんで、油断して生きてきた。きちんと自立しなければいけない。夫に頼り切っていたからこんなにも動揺するのだ。人生、何が起きるかわからない。
「可能性は無限大!」――灰色にしか見えなかった世界に、ふと飛び込んできた女性誌の鮮やかなピンクの文字に、背中を押してもらった。