インフレ時代に普通の「節約」をしても効果は薄い?(写真提供:Photo AC)
2022年、身のまわりのあらゆる商品で続く《値上げ》。帝国データバンクの発表によれば、この10月に値上げした品目数は6700にまで達しており、もはや「インフレ」の様相を呈しているとも。一方で経済評論家・加谷珪一さんは、この先の日本では<不況下のインフレ=スタグフレーション>に陥る可能性もきわめて高いと警告します。さらに「すべての商品が値上がりするインフレ時代に《通常の節約》では対応できなくなる」とのことで――。

インフレに対する《通常》の対策

物価が上がっても収入が増えない状態に陥った場合、多くの人は節約で事態を乗り切ろうと考えます。確かに、収入が増えない時、節約は最大の対処法ですが、相手がインフレの場合は、従来とは違った考え方が必要でしょう。

単純に収入が減って可処分所得が少なくなっているだけなら、それは自身の問題ですから、市場の側に変化はありません。通常、次の対策が考えられます。

(1)より安い商品を探す
(2)代わりになる商品を探す
(3)購入を我慢する

順を追って解説しましょう。