毛筆で書くのはハードルが高い。けれど、パソコンで打った文字は味気ない。それならお手軽な筆ペンを使ってみては? 書家のふでこさんに、味わい深い文字の書き方を指南してもらいました(撮影=本社・奥西義和)
綺麗に書こうとする必要はない
どこのお宅にも1本くらいはある「筆ペン」。冠婚葬祭のたび、名前を書くのに使っているだけ、という人が大半でしょう。筆文字に苦手意識を抱いている人もいるかもしれません。
ですが、筆ペンの真価を知らないのはもったいない! そう考えて私は、自身が考案した文字「ゆるふで」を通して、筆ペンの楽しみ方を伝える活動をしています。
そもそも私が筆ペンにハマったのは10年以上前。夫と営む理容院で、自分たちらしさを出したくて、書道歴40年超の私が筆ペンでメニューのPOPを書きました。するとお客さんに好評で。それを見た理容師仲間に「教えて!」と言われ、書き方を指南したのがゆるふでの始まりです。
ゆるふでには、難しいルールはありません。書道のようにトメ・ハネなどの厳密なルールはなく、ただ自由に筆ペンで書いてみる。今回、手本をつけましたが、私の字を無理に真似る必要はありません。綺麗な字を目指さず、自分らしく書くのがポイントです。
自由自在に線の太さを調節できる筆ペンを用いるのですから、文字にメリハリをつけたり、ふわっとした線で書いたりしてみましょう。力を抜いて、ゆるっと大きく書いてみると、あら不思議、温かみのある文字になるではありませんか。
準備するもの
●はがき
筆ペンで書くには、少しざらざらした画仙紙がおすすめ。にじみやかすれの味わいも楽しんで
●筆ペン
最初は書きやすい中字の太さがいい。
ふでこさんはロングセラー商品「ぺんてる筆」を主に使用。
細かい字を書く時には写経用のものがベスト。
メーカーによって書き味が異なるので、いろいろ試してみましょう。