「選手の人間味を伝えること、言語化できない思いを言葉にすることが僕の使命だと思っていて、インタビュー中、選手が口を開いてくれるまでじっと待つことも少なくありません」（松岡さん）
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2023年4月21日の『A-Studio』にプロテニスプレーヤーでスポーツキャスターとして活躍中の松岡修造さんが登場。恩師や幼馴染、伊達公子さんや杉山愛さんへのインタビューから、松岡さんの歴史と素顔に迫ります。今回は〈選手と観戦する人とを繋ぐ仕事〉への熱い思いを、スポーツジャーナリストの増田明美さんと語り合った2023年3月号の記事を再配信します。

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アスリートとして現役を退いたあと、増田明美さんと松岡修造さんはメディアを通じてさまざまな競技の魅力を伝えてきた。細部にわたる取材や熱血インタビューも、選手にたくさんの声援を届けたいから。その思いはいつしかスポーツを超え、「誰かを応援したい」という2人のいまの生き方に繋がっている（構成＝篠藤ゆり　撮影＝大河内禎）

選手の人となりを伝えたい

増田　修造さんとは10年ほど前、宮崎空港でお会いしたことがありましたね。覚えていますか。

松岡　よく覚えていますよ。

増田　預けた手荷物が出てくるのを待っていると、足音が近づいてきて。振り返ったら修造さん、「腿上げ」をしてるんだもん。修造さん流の「こんにちは」ね。

松岡　明美さんといえば陸上、陸上といえば腿上げなので。

増田　なんて面白い人なんだろう、と思いましたよ。

松岡　僕は選手としてオリンピックに三度出ていますが、出場する全選手の名前を覚えていました。選手名鑑で顔や競技も一緒に覚えるんです。選手村の食堂で会うとき、その選手の競技のジェスチャーをするだけで思いを共有できるじゃないですか。