(写真提供◎越乃さん 以下すべて)
圧倒的なオーラを放つトップスターの存在、一糸乱れぬダンスや歌唱、壮大なスケールの舞台装置や豪華な衣裳でファンを魅了してやまない宝塚歌劇団。初の公演が大正3年(1914年)、100年を超える歴史を持ちながら常に進化し続ける「タカラヅカ」には「花・月・雪・星・宙」5つの組が存在します。そのなかで各組の生徒たちをまとめ、引っ張っていく存在が「組長」。史上最年少で月組の組長を務めた越乃リュウさんが、宝塚時代の思い出や学び、日常を綴ります。第48回は「男役がやる女役」のお話です。
(写真提供◎越乃さん 以下すべて)

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『男役がやる女役』

宝塚では、男役がお芝居やショーなどで女役をすることを「女装」と呼びます。
元は女性なので、「女装」と呼ばれるのはどうかと思いますが、
女装感は否めません。

女役が回ってこなさそうな私も、何度か「女装」をすることがありました。
スカートなど長年はいていないので、裾はさばけず、
ウエストもくびれていないから締め付けられて苦しく、
うっかり男役がでてしまったり、
椅子に座る、立つ、の動作すら男役になってしまう悲しさ。

歩幅も歩き方も、身に付いたものはそう簡単には抜けません。
私は退団後10年のいまもまだ抜けていません。

男役と女役ではどう違うのか。
スカートや歩き方だけの問題じゃありません。
メイクも全て違うので、研究が必要です。

「地」と呼ばれるお化粧の土台の部分、普段メイクではファンデーションですが、
舞台ではドーランを使います。
そのドーランの地の色からして違います。
男役は少し黒めに、女役は白ピンクに。

眉毛もりりしく書くのと、丸く柔らかめに書くのとで違いがあります。
付けまつ毛も男役と女役ではまつ毛も違うので、どれが合うかというところから始めます。
顔を作っていく段階で全てが違うのです。