イラスト:小林マキ
いくつになっても健康でいきいきと過ごすためには、「筋肉」をつけておくことが大切です。とはいえ、この暑さでは、きついトレーニングはちょっとしんどい……。そこで、「筋肉は裏切らない」でおなじみの谷本道哉先生に、自宅で手軽にできて効果的な筋トレを教えてもらいました。
(イラスト/小林マキ 取材・文・構成/葛西由恵《インパクト》 デザイン/米山和子《プッシュ》)

60歳以降、筋肉の衰えは加速する

加齢により食が細くなると、疲れやすくなったり、外出するのが億劫になったり……。そうした心身の虚弱は「フレイル」と呼ばれ、やがては要介護状態に至る可能性が高くなると言われています。健康寿命を延ばすためには、フレイルをいかに予防するかが重要です。

「フレイルに陥るもっとも大きな要因が筋力の低下。身体機能が衰え、日常生活のさまざまな場面に影響が出てきます」と話すのは谷本道哉先生。

「わずかな段差につまずくことが増えた」「階段を降りる際にバランスがとりにくくて怖い」「手に力が入らず瓶の蓋を開けられない」といった悩みに心当たりはありませんか? 筋肉は40歳頃から徐々にやせ細り、60歳以降はそのスピードが加速します。

「困ったことに、体重を支える重要な筋肉ほど衰えやすいのでやっかいです」(谷本先生。以下同)