重要な筋肉ほど衰えやすい

中でも、ももの前の「大腿四頭筋」やお尻の「大殿筋」は、80代になると20代の頃の半分程度のボリュームになってしまうそう。

「下腹の深部にある『腸腰筋』も衰えやすい場所。腸腰筋は脚を前に振り出すときによく使われる筋肉なので、これが衰えると大きく脚を振り出せず “すり足”気味になり、つまずきやすくなるのです」

女性の場合、閉経により筋たんぱくの合成を促す女性ホルモンのエストロゲンが減少することも、筋力低下に拍車をかけます。

「そのため、閉経後は注意が必要。女性はそもそも男性に比べて筋肉量が少ないため、筋肉の老化問題はより深刻です。少しでも食い止めるためには早めの対策が不可欠。60歳をすぎたら、筋トレをぜひ習慣にしてほしいですね」

重要な筋肉ほど衰えやすい一方、筋肉は鍛えればいくつになっても育てることができる、と谷本先生はアドバイス。

「加齢による衰えを緩やかにできるだけではありません。80代、90代であっても、しっかりトレーニングすれば、筋肉は強く、大きくなります。筋肉の大きさ、強さは何歳からでも向上でき、時計の針を巻き戻せるのです」

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