イメージ(写真提供:Photo AC)
マイナンバーカード関連のトラブルが続いています。個人情報に関わるミスの頻発と政府の対応に不信感を抱き、マイナンバーカードの発行手続きを控えたり、発行済みのカードを「自主返納」する人が現れたりする騒ぎになっているようです。マイナンバーカードをめぐっては、市民だけでなく自治体や政府の間でも混乱が続いており、依然として先行きが不透明な状況となっています。2023年10月3日時点での情報を整理しました。

そもそもマイナンバー制度の目的って?

マイナンバー制度のそもそもの目的は、個人の情報を効率的に管理することによる「国民の利便性の向上」「行政の効率化」「公平・公正な社会の実現」の3つです。既存の各種カードとの一体化やペーパーレス化を目指して、これまでさまざまな取り組みが進められてきました。

2023年9月末まで行われていた「マイナポイント」事業も、マイナンバーカードの普及を促進するためのものです。この事業では、特定の条件を満たすことで最大で2万円分のポイントを受け取ることができました。

総務省によると、2023年10月1日時点での人口に対する交付枚数の割合は76.8%。今や多くの人がマイナンバーカードを保有している状況といえますが、順調にマイナンバー制度の整備が進んでいるかというと、そうでもないようです。個人情報の漏えいにつながるようなトラブルが続いていること、またその原因の多くが人為的ミスによるものであることが国民の不安や不信を招く事態となっています。

その影響か、カードの交付率に比べて利用率が低い実態も浮き彫りとなっています。厚生労働省によると、マイナ保険証の2023年8月の利用率は4.67%とのこと。これは、各医療機関でマイナ保険証を利用した「オンライン資格確認」の導入が義務化された今年4月以降、最低の数値です。

国民の暮らしに関わる重要な制度であるだけに、政府には慎重な対応が求められます。

 

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