掘る部位によって、その都度特注で彫刻刀を注文し、いつの間にか手元には100本以上の彫刻刀があるという秋川さん(写真提供:秋川さん)
「11年ほど前に訪れたドイツで、気に入った鷹の木彫刻を手に入れ、そばで眺めるうちに〈自分にも彫れるかもしれない〉と思い立ったんです。」(撮影:本社写真部)
「彫刻に関しては根拠なく〈これは、いつかできるようになる〉と思えたんです」
二科展の彫刻部門に入選した「木彫楠公像」。9月13日まで国立新美術館で公開されていた(写真提供:秋川さん)
「もともと僕は〈強さ〉というものに憧れがあって、彫刻でも戦いのシーンや龍や獅子、強いものに惹かれるところがありました。」
神秘のヴェール「ヴェール観音」〈木曽檜・2018・左上〉、「聖観音菩薩像」立像〈木曽檜・2013・右上〉、仁王像〈楠・2015・下〉(写真提供:秋川さん)
「声楽も50代がピークと言われている世界なので、今でも上手くなっていく手応えはあります。でも歌は、上手くなりたいという思い、〈欲〉が強すぎて、どこか苦しかった」
「昨年からコロナでコンサートも軒並み中止になりましたが、正気を保っていられたのは彫刻という打ち込めるものがあったから」