いくつになっても自分を磨き続けて
市村 僕はその後、西村晃さんの付き人になって、劇団四季に入って。退団後まもなく『ミス・サイゴン』に1年半出た次の次の舞台が、『ラ・カージュ・オ・フォール』だった。
草笛 ああ、私たちはそのときはじめて会ったのね。
市村 そうです。草笛さんと共演できるなんて、本当に感無量でしたよ。
草笛 私は、こわかった。
市村 どうして?
草笛 だってあなたは歌も踊りも芝居も、全部点数を持っている人だから。
市村 それは悪いことしたね(笑)。僕に言わせりゃ、映画界のトップ女優だったころの草笛さんはやはり「作られた」存在で、『ラ・マンチャの男』以降が真骨頂だと思う。でも残念なことに、草笛さんの『シカゴ』は観れていないんだよね。