孤独な人は認知症になりやすい

なお、65歳未満で発症した認知症を「若年性認知症」と呼んでいますが、前頭側頭型に限らず、すべての認知症に当てはまり、症状も同様に様々です。

現在、日本では抗認知症薬としてアリセプト、レミニール、イクセロンパッチ、リバスタッチが認可されていますが、どの薬も進行を抑えるためのもので、認知症自体を治す効果はありません。

『その選択が健康寿命を決める』(著:森勇磨/マイナビ出版)

認知症を発症してからの余命は7~10年と言われています。つまり、その期間は何らかのケアを必要とするわけです。ただ、認知症の場合、患者本人は良いことも辛いことも忘れていきます。最終的に自分の状況も判断できなくなる病気ですから、本人よりも家族が辛い思いをすることのほうが多いかもしれません。

認知症は遺伝、生活習慣病、事故や病気の後遺症など様々な原因が考えられますが、欧米での調査では孤独な人や、他人との関わりが少ない人、耳が遠くなり会話の機会が少ない人ほど認知症リスクが高いと言われています。

できるだけ人と接する機会を作ることが、健康寿命を延ばすコツと言えるでしょう。また、年を取った親御さんが心配という人はなるべく会話を増やす、デイサービスなどへの積極的な参加を促し社会とのつながりを持ち続けるようにするといったことも、一案です。