森先生「孤独な人は認知症になりやすい」(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が発表した「簡易生命表(令和4年)」によると男性の平均寿命は81.05年、女性の平均寿命は87.09年だそうです。健康寿命はこれよりも更に短い結果となっています。健康寿命を延ばして、できるだけ長く日常生活を制限なく過ごすためには…。医師の森勇磨先生いわく「孤独な人は認知症になりやすい」そうで――。

認知症の種類

健康寿命を語るときに、避けられない病気が認知症です。

認知症は次の種類に分けられます。

・アルツハイマー型認知症

脳の神経細胞にアミロイドβというたんぱく質がたまり、脳が萎縮することで起こります。短期記憶の欠落から始まり、徐々に人格が変わっていくなど、多くの人がイメージする認知症の症状が出ます。原因はハッキリとはわかっていませんが、糖尿病や生活習慣病を持っている人は発症リスクが高いというデータも。認知症患者の約70%がアルツハイマー型認知症だと言われています。

・脳血管型認知症

脳梗塞、脳出血などで脳の血管がダメージを負うことで脳細胞が破壊されます。患者の約20%を占め、ダメージを負った部分によって症状が異なります。

・レビー小体型認知症

レビー小体という神経細胞にたんぱく質がたまることが引き金になります。原因はわかっていません。歩行困難などの運動障害や幻聴、妄想が起こりやすく、正常な状態とぼんやりした状態を繰り返しながら進行していきます。

・前頭側頭型認知症

脳の前頭葉、側頭葉が萎縮して起こります。50~60代での発症が多く、人格が著しく変わる、身なりにかまわなくなるといった症状が出ます。