動画はとにかく「短く」

音楽を聴く際にサビだけを楽しむ若者が多いと述べたが、動画でも「10分観ているのがキツい」と考える若者も増えている。

これは6秒前後の動画投稿ができるVine(2016年サービス終了)や15秒の動画を投稿できるTikTok(最近では長尺動画も投稿できるようになった)をはじめとしたショート形式の動画共有サービスがSNSの主流になったことが大きな要因である。

TikTokが若者のSNSの中心になったことで、YouTubeもTikTokを意識したショート動画が投稿されるようになった。

YouTuberがTikTokの動画を使ってYouTubeへ誘導しようとしたり、TikTokの動画がYouTubeやInstagram、LINE、Facebookなど他のプラットフォームに流用されるなど、とにかくTikTokの影響を強く受けている。

その結果、15秒のなかで起承転結がついていたり、技巧を凝らさないインスタントな娯楽でも満足できるという消費文化もあわせて定着してしまったといえる。

クオリティの高い長い動画を1本観ることよりも、短い動画を何本も観たという事実(消費したという事実)のほうが満足度が高いと考える消費者が増えたともいえるのかもしれない。