映画の視聴態度にも
余談だが、この傾向は映画の視聴態度にも現れ始めている。
エンターテインメント業界に向けたデータ・デジタルマーケティングサービスを提供するGEM Partnersの「観たい映画であっても映画館での鑑賞をためらう上映時間の長さ」に関する調査によると、「観たい映画の上映時間の長さによって映画館での鑑賞をためらうことがあるか」との問いに、74%の人が「ある」と答えている。
2018年以降、上映時間140分以上の映画が増加傾向にある。
これにはストーリーが壮大になり、徐々に市場全体が長尺化していったことや、『タイタニック』『アバター』『アベンジャーズ』といった長尺作品のメガヒットにより、そのくらいの長さでも消費者は観てくれるという風潮が作られたことなどが影響していると思われる。
ところが、約4人に3人が上映時間の長さによっては映画館での鑑賞をためらうというのだ。
上映時間120分(2時間)以上で21%、140分(2時間20分)以上で33%、160分(2時間40分)以上で45%、180分(3時間)以上で63%がためらうと回答している。
上映時間の長さがネックとなって視聴をためらってしまうのは、映画好きからするともったいないと感じなくもないが、たしかに上映時間を見てギョッとして、気合いを入れてから映画館に行くことが増えたのも事実である。